フランスの名門大学院にて分子ガストロノミー学を研究。ある日、泡から小さな卵巣を作ることに偶然成功する。この発見を応用すれば多くの生命を食糧危機から救う世紀の大発明となるはずだったが、論文を発表する前に世界国家の妨害によって隠蔽されてしまう。命と引き換えに国家から交換条件として提示されたのは、大気圏外を漂流する宇宙遊覧船の料理人というポジションだった。命は惜しくなかったが宇宙料理にも関心があったことから条件をのみ船に乗り込むことに。以後「オリオン座の姿焼き」「秒針のエスプーマ」「LEDのテリーヌ」など、あらゆる概念を調理し皿に表現した。食材のバランス感覚と独特な美的感覚が評価され、現在は料理長を務める。彼の料理を一口味わおうと遠方の銀河系からわざわざ足を運ぶ乗客は後を絶たない。