生後7日目、ゆりかごの中でその日4度目の睡眠を取ろうとしていたとき突然頭の中で歌声が聴こえる。これが彼自身の一番最初の記憶である。それをきっかけに、並行時空に存在する無数の自我、マイセルブズと会話できる能力が発動。言語やピラティスなどを早々に彼らから教わり、幼少期から特殊遺伝子の天才児として世間の注目を集める。しかし彼の境遇を共感できる者は周りにおらず、アナーキーな彼は一時引きこもってしまうが「確認」という特殊技術を習得することで自力で立ち直ることに成功した。やがて独立国家を設立し、細かく砕いた鏡の破片を部屋中に貼り、ひとつひとつに映るマイセルブズを統治する大統領となる。その後人口は約14億人に。独自の紙幣も発行。更なる国の活性化を図り、観光業にも注力している。隣国のプラマン人が偶然訪れたところ、そこには8畳ほどの鏡張りの部屋に虚な目をした1人の男が立っていた。